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■PET(ペット)検査について

発行月:2007年06月

PET検査とはどのような検査なのか

PET(ペット)検査について
伊藤病院副院長 杉野公則

 最近、PET検査という言葉をよく耳にするようになりました。PET検査とはどんな検査なのか、また、甲状腺疾患とどのような関係があるのかを概説したいと思います。

[原理] 
 PET検査とは、「ポジトロン断層撮影法」のことで、X線CTのような装置で、心臓や脳などの働きを断層画像としてとらえ、病気の原因や病状を診断する検査法です。
 この検査では、ポジトロン(陽電子)を放出する薬を、静脈注射または、呼吸により体内に吸入します。薬が、心臓や脳など体のいろいろなところに集まる様子を、体の外から撮影します。検査の目的に合わせて薬を選ぶことにより、脳や心臓、癌などの診断ができます。一般的に行われているのは18F-FDG-PET検査で、FDGというブドウ糖によく似た物質に18F(フッ素の放射性同位元素)をつけた薬を静脈注射します。癌などの細胞は活動が活発なのでエネルギーのもとであるブドウ糖が多く必要です。FDGはブドウ糖によく似ているために細胞内に取り込まれますが、エネルギーとしては使われず、しばらくの間細胞内に蓄積されます。18Fがついているので取り込んだ細胞内で陽電子を放出します。それをPET検査装置でとらえ画像化するというわけです。

[甲状腺疾患とPET検査] 
 PET検査でわかる甲状腺疾患はどのようなものがあるのでしょう。
 東京、板橋にあるPET健診センターである西台クリニックから当院へご紹介いただいた338名(2003年11月から2006年5月まで)について解析してみました。同施設はPET検査だけでなく甲状腺エコーも行っておられるのでPET検査陰性の患者様も含まれております。PET検査で甲状腺に集積が見られた患者様は230名、68%でありました。2種類以上の甲状腺疾患を有している患者様もおられるので延べの比率ですが、橋本病が最も多く、88%で陽性でした。ついで腺腫様甲状腺腫では約60%で陽性でした。悪性疾患は50名、14.8%おられ、全例乳頭癌の患者様でした。腫瘤が1cmを超える乳頭癌は24名で、そのうち92%で陽性でした。1cm以下の乳頭癌では50%で陽性でした。一般的にPET検査では、腫瘤が5mm以上ないと診断が難しくなります。甲状腺疾患ではPET検査で陽性になることはよくありますが、ほとんどは良性疾患であります。しかし、中には癌の発見につながった患者様もおられます。また、悪性疾患の患者様で腫瘍マーカーが上昇しているのに一般的な画像検査で病巣が見つからない場合にPET検査は効力を発揮し、転移や再発部位を見つけられることがあります。
 PET検査は画期的な検査法といえますが、これさえ受ければ完璧というわけではありません。他の検査や画像診断とあわせて初めて、存在部位や広がりがより明確になります。また、臓器や部位によっては、PET検査だけでは見つけることができない癌があることも、理解しておかなくてはなりません。
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