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甲状腺関連情報 |
■甲状腺の悪性腫瘍について(その1)
発行月:2007年09月
甲状腺の悪性腫瘍の種類
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甲状腺の悪性腫瘍について(その1) 伊藤病院 外科医長 北川 亘
甲状腺にできるしこり、こぶは結節(結節性甲状腺腫)と呼ばれます。このしこり(結節)は、良性のものとがん(悪性)に分けられますが、今回は悪性の結節性甲状腺腫について説明します(表)。
(表)悪性の結節性甲状腺腫は6種類あります。 1.乳頭がん 2.濾胞がん 3.髄様がん 4.低分化がん 5.未分化がん 6.悪性リンパ腫
甲状腺の悪性腫瘍には、乳頭がん、濾胞がん、髄様がん、低分化がん、未分化がん、悪性リンパ腫の6種類があります。それぞれのがんのタイプによって性質が異なり、悪性度が大きく違ってきます。ただし、甲状腺のがんは進行が遅いものが大部分で、治りやすいものが多いのが特徴です。多くの場合、5年、10年と時間をかけてゆっくり進行します。手術などの適切な治療がなされれば治すことができるものが大半ですので、甲状腺がんと聞いてもあわてずに落ち着いて治療していきましょう。では、それぞれのがんの特徴についてお話します。
1.乳頭がん 甲状腺の悪性腫瘍の85%以上を占めています。進行がゆっくりで、早い時期にはただしこりがあるだけですが、成長すると周囲の組織に広がり声がかすれたり、ものが飲み込みにくくなったり、息苦しくなったりします。乳頭がんは遠くの臓器に転移することは少ないですが、乳頭がん付近のリンパ節に転移することが少なくないので、手術では乳頭がんとともにリンパ節も切除します。 甲状腺がんのなかで、極めてよく治るがんといっていいでしょう。
2.濾胞がん 甲状腺の悪性腫瘍の5~10%を占めています。このがんもおとなしいがんで、しこりがあるだけで他には異常がない場合がほとんどです。ただ、このがんはリンパ節への転移が少ないのですが、離れたところにある肺や骨などに転移することがあります。しかし、これも進行は遅いがんですから、早期に治療をすれば治ってしまう率がかなり高いがんです。
3.髄様がん 甲状腺の悪性腫瘍の1~2%ほどを占める特殊ながんです。乳頭がんや濾胞がんの様に甲状腺ホルモンを作り出す濾胞細胞からできるがんではなく、傍濾胞細胞(C細胞)から発生するがんです。傍濾胞細胞(C細胞)は、カルシトニンと言う血液中のカルシウムを下げるホルモンを作り出しています。だいたい3分の1は家族性(遺伝性)に発生します。このため遺伝性の髄様がんは、がんが発生する遺伝子があるかどうか遺伝子検査で診断できるようになっています。また髄様がんの中には、副腎の褐色細胞腫や副甲状腺機能亢進症など他の内分泌腺の病気を合併するものがあり、多発性内分泌腺腫瘍症(MEN)と呼ばれています。
4.低分化がん 甲状腺乳頭がんや濾胞がんの中で組織学的に低分化成分が含まれるがんは、低分化がんと呼ばれています。通常の乳頭がんや濾胞がんに比べやや進行が早いので、悪性度は乳頭がんや濾胞がんより少し高く未分化がんよりは低い位置づけになります。
5.未分化がん 未分化がんは、発育が急速で悪性度の高いがんです。ただし、発生頻度は甲状腺がんの1~2%ぐらいで、極めてまれながんと言えます。
6.悪性リンパ腫 もともとはリンパ腫に生じるがんです。橋本病にともなって発生することが多く、急に甲状腺が大きくなり、ものが飲み込みづらい、声がかれる、呼吸が苦しいなど強い症状が現れることもあります。
甲状腺の悪性腫瘍が疑われる場合には、どのタイプのがんかよく区別(鑑別)してから治療することが重要になります。次回は、その鑑別のために必要ながんの検査についてお話します。
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