検査項目と基準範囲

※各検査項目の基準範囲は伊藤病院独自の設定もありますので、他施設とは多少異なる場合があります。

■ホルモンについての検査項目と基準範囲

検査項目 正式名 説明 基準範囲
(単位)
FT3 遊離トリヨードサイロニン 甲状腺から分泌されるホルモンで、ひと言でいうと「元気のみなもと」となるホルモンです。また、新生児の脳の発達や子供の発育・成長にも不可欠なホルモンです。ヨウ素を4個持っているものがFT4、ヨウ素を3個持っているものがFT3です。 2.2~4.3
( pg/mL )
FT4 遊離サイロキシン 0.8~1.6
( ng/dL )
TSH 甲状腺刺激ホルモン 甲状腺ホルモンの分泌を促すホルモンで、脳下垂体から分泌されます。 0.2~4.5
( μIU/mL )
TRAb 抗TSHレセプター抗体 甲状腺を刺激する自己抗体(注1)で、バセドウ病では陽性を示す確率が高くなります。 2.0未満
( IU/L )
TSAb 甲状腺刺激抗体 TRAbと同じく、甲状腺を刺激する自己抗体(注1)で、バセドウ病では陽性を示す確率が高くなります。 120以下
( % )
TgAb 抗サイログロブリン抗体 甲状腺でつくられるサイログロブリンという蛋白質に対する自己抗体(注1)です。慢性甲状腺炎で陽性となることが多いようですが、バセドウ病でもしばしば陽性となることがあります。 40以下
( IU/mL )
TPOAb 抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体 甲状腺ペルオキシダーゼという酵素に対する自己抗体(注1)です。慢性甲状腺炎で陽性となることが多いようですが、バセドウ病でもしばしば陽性となることがあります。TgAb、TPOAb共に甲状腺に対する作用は今のところはっきりしていませんが、診断の指標として用いています。値が高いから重症であるとか、病気が進行しやすいかなどを判断するものではありません。 28以下
( IU/mL )
HTg サイログロブリン 甲状腺の細胞で作られる蛋白質です。この蛋白質は甲状腺ホルモンを作る場所を提供したり、作られたホルモンを蓄えたりする役割をしています。腫瘍マーカーの様なものとして考えられていて、亜急性甲状腺炎や穿刺細胞診の直後、バセドウ病などで上昇します。また、転移を伴う甲状腺腫瘍で上昇する傾向があり、甲状腺悪性腫瘍の全摘出手術後の経過観察に用いられます。ただし良性の病変でも上昇することがあるため、高値=悪性とは限りません。 33.7以下
( ng/mL )
PTH-I 副甲状腺ホルモン 副甲状腺で作られる「カルシウムの代謝の仲立ち」をするホルモンです。血液中に分泌されると、骨に蓄えられているカルシウムが血液中に放出され、血液中のカルシウム濃度が高まります。 15~65
( pg/mL )
(注1)自己抗体
体に異物が入るとこれに対抗する“抗体”が作られますが、稀に自分の細胞やその成分を異物と勘違いして抗体ができてしまうことがあります。このような抗体を自己抗体といいます。

■血液についての検査項目と基準範囲

検査項目 正式名 説明 基準範囲
(単位)
RBC 赤血球数 数が減少すると貧血、増加すると多血症の指標となります。 男性:435~555
( 万/μL )
女性:386~492
( 万/μL )
Hb ヘモグロビン 赤血球数と同様に、貧血や多血症の診断根拠となります。 男性:13.7~16.8
( g/dL )
女性:11.6~14.8
( g/dL )
Ht ヘマトクリット 血液中の赤血球の占める割合をいいます。 男性:40.7~50.1
(%)
女性:35.1~44.4
(%)
MCV 平均赤血球容積 赤血球1個あたりの容積を示しています。 84~98
( fL )
MCH 平均赤血球ヘモグロビン量 赤血球1個あたりのヘモグロビン量を示しています。 28~33
(pg)
MCHC 平均赤血球ヘモグロビン濃度 一定容積の赤血球に含まれるヘモグロビン量を示しています。 32~35
( g/dL )
Plt 血小板 出血した時に、凝集して出血を止める働きをします。 15.8~34.8
( 万/μL )
WBC 白血球数 体外から侵入する細菌やウィルスと戦ったり、免疫アレルギーに関連した様々な働きをします。また、薬の副作用で減少することがあります。白血球は5種類の細胞からなり、その比率の違いは病態の把握に役立ちます。 3300~8600
(/μL)
Neu 好中球 細菌と戦う白血球。 病態により異なります。
Lym リンパ球 免疫に関与し、ウィルスと戦う白血球。
Mo 単球
Eo 好酸球 アレルギーと関与した白血球。
Ba 好塩基球

■その他の生化学検査項目と基準範囲

検査項目 正式名 説明 基準範囲
(単位)
TP 総蛋白質 主に肝臓で合成されるので、数値の変動は肝臓機能の指標になります。 6.6~8.1
( g/dL )
TBil 総ビリルビン 肝臓で作られ、胆のう、十二指腸、便という経路で出て行くので、その途中の障害で数値が高くなります。黄疸の指標です。 0.4~1.5
( mg/dL )
AST アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ 主に肝臓、心臓、骨格筋の中にある酵素で、これらの臓器に障害がおこると血液中の数値が上昇します。 13~30
( U/L )
ALT アラニンアミノトランスフェラーゼ 肝臓細胞中に特に多く含まれる酵素で、肝臓障害時にはASTより鋭敏に上昇します。 男: 10~42
( U/L )
女: 7~23
( U/L )
LDH 乳酸脱水素酵素 肝臓、心臓、肺、赤血球などに多く含まれる酵素で、これらの組織で細胞が壊されると高い値になります。 124~222
( U/L )
γGTP γ-グルタミルトランスペプチダーゼ 肝細胞中に多く存在する酵素で肝障害や胆道系疾患で数値が高くなります。また、アルコールとの相関関係が強く、アルコール性肝障害の目安にもなります。 男: 13~64
( U/L )
女: 9~32
( U/L )
ALP アルカリホスファターゼ 肝臓や胆道系に障害があると数値が高くなる酵素です。また、骨の病気や甲状腺疾患でも高くなることがあります。 106~322
( U/L )
ChE コリンエステラーゼ 肝臓だけでつくられる酵素のため、肝障害の指標となります。 男: 240~486
( U/L )
女: 201~421
( U/L )
CPK クレアチニンホスファターゼ 心筋、骨格筋などの組織・細胞の障害を反映する酵素です。これらの組織が壊れると血液中の数値が高くなります。 男: 59~248
( U/L )
女: 41~153
( U/L )
CRE クレアチニン 腎臓の機能が低下すると尿中への排泄が減少し、血液中に増加します。腎臓機能の指標になります。 男: 0.65~1.07
( mg/dL )
女:0.46~0.79
( mg/dL )
UA 尿酸 プリン体を多く含む食物を摂取すると、その代謝物質としてできてきます。腎臓機能障害や肉魚などの過食で数値が高くなります。 男: 3.7~7.8
( mg/dL )
女:2.6~5.5
( mg/dL )
BUN 尿素窒素 食物中の蛋白質などが代謝された後にできる窒素を含んだ老廃物です。
腎臓から排泄されますが、腎機能に障害があると血液中の濃度が高くなります。
8~20
( mg/dL )
Na ナトリウム 体液の浸透圧維持のため各種のホルモンや腎臓により厳密にコントロールされています。脱水、腎障害、下垂体や副腎由来ホルモン異常により低値や高値になります。 138~145
( mEq/L )
K カリウム 神経や筋の細胞機能維持に重要な役割を果たします。 3.6~4.8
( mEq/L )
Cl クロール 呼吸不全や腎障害など体液の酸性・アルカリ性のバランスが崩れると異常値になります。 101~108
( mEq/L )
Ca カルシウム 副甲状腺由来ホルモンの骨や腎臓に対する作用により、血液濃度は厳重にコントロールされており、食事の影響はほとんど受けません。 8.8~10.1
( mg/dL )
P 無機リン 食事の影響を受けやすく、日内変動も大きいです。腎障害やホルモン異常で高値になることがあります。 2.7~4.6
( mg/dL )
T-C 総コレステロール 細胞やホルモンを作る材料の一種です。過剰になると動脈硬化を助長し、心筋梗塞や脳梗塞などをおこす原因になります。 120~220
( mg/dL )
TG 中性脂肪 食物から吸収された糖質、脂肪などのうち、エネルギー源として使い切れずに残った分は肝臓で中性脂肪として皮下等の脂肪組織や肝臓に蓄えられます。その後、必要な時にエネルギー源として利用されます。 50~150
( mg/dL )
HDL-C 高比重リポ蛋白コレステロール 善玉コレステロールと呼ばれ、抗動脈硬化作用があると言われています。 40~100
( mg/dL )
LDL-C 低比重リポ蛋白コレステロール 悪玉コレステロールと呼ばれ、多くなりすぎると動脈硬化を進める方向に働きます。 70~139
( mg/dL )
GLU/BG グルコース(血糖値) ブドウ糖の濃度で、自律神経やインスリンをはじめとする種々のホルモンが関係して調節されています。 73~109
( mg/dL )
HbA1c グリコヘモグロビン 過去の平均的な血糖値を反映します。約1~2ヵ月に及ぶ血糖のコントロール状態を知る指標となります。 4.6~6.2
(%)
CRP C反応性蛋白 炎症や組織の破壊が起こるとすぐに増える蛋白質です。回復とともに減少するので炎症症状の指標となります。 0~0.14
( mg/dL )
Alb アルブミン 血清総蛋白の50~70%を占めカルシウム(Ca)などの各種物質の運搬に重要な成分です。栄養の摂取や吸収障害など全身状態の参考にもなります。 4.1~5.1
( g/dL )

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