![]() 甲状腺疾患の薬には、甲状腺ホルモンが低下した時に用いる甲状腺ホルモン薬と、亢進した時に用いる抗甲状腺薬の2種類があります。
■作用について甲状腺ホルモンの作用は、脳の発達をはじめ器官の成長・発育作用、酸素消費増加による熱産生作用、心血管系に対する作用、脂質・糖質代謝作用などがあります。現在、化学合成物のT4製剤としてチラーヂンS、レボチロキシンナトリウム錠「サンド」、T3製剤としてチロナミンが、また、動物の甲状腺の抽出物でT4とT3両方を含有しているチラーヂン末、乾燥甲状腺「ホエイ」が販売されています。 これらの甲状腺ホルモン薬は、橋本病、甲状腺手術後およびアイソトープ(放射線ヨード)治療後に起こる甲状腺機能低下症の甲状腺ホルモン補充に用いられます。また、下垂体から出る甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を抑えて甲状腺腫瘍の発育阻止を期待する目的※で使われます。 ※TSHが実験的に甲状腺細胞の増殖を促進することがわかっており、この作用を利用して腫瘍を小さくします。 ■効果について甲状腺ホルモンとしての効果はT3が担っていますが、T3はT4に比較して血液中のたんぱく質との結合力が弱く、服用後の吸収が速やかで排泄が早い(血中の半減期が短い)ために、内服後に安定した濃度を維持することが難しいという欠点があります。その点、T4は、半減期が長く肝臓や腎臓などで徐々にT3に変換されるため、適切な量を服用することにより生理的な血中濃度が継続的に維持されるので、原則としてT4製剤が用いられます。T4製剤は半減期が約1週間のため、服用し続けていれば服用時間がずれても血中濃度の変動はほとんどありません。そのため、いつ服用しても、血中濃度の時間帯による効果の違いもあまりありません。なお、最近の研究では、食後よりも空腹時や寝る前の方が吸収が少しよいことがわかっています。 服用回数は通常、内容量にかかわらず1日1回の服用ですが、服用により心悸亢進(動悸など)がある場合や、心臓疾患を合併している場合、高齢者などは分けて服用することもあります。 また、T4製剤は人間の甲状腺ホルモンを化学的に合成したものなので副作用はないはずですが、ごくまれに、成分、賦形剤、着色料などによりアレルギーを起こすことがあります。 現在、抗甲状腺薬には、チアマゾール(MMI:メルカゾール)とプロピルチオウラシル(PTU:チウラジ-ル/プロパジール)の2種類があります。 |













