腫瘍性疾患
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治療方法

■良性腫瘍の治療

腺腫などの良性の腫瘍であることがはっきりすれば、そのまま放置しても生活の支障となることはありません。また、甲状腺ホルモン薬を服用していると、だんだんしこりが小さくなることもあるので、それでしばらく様子をみることもします。
しかし、しこりがあまりに大きかったり、目立って気になったりするようであれば、手術で摘出する場合もあります。
一方、同じ良性でもしこりがたくさんできる腺腫様甲状腺腫は、ある程度以上の大きさになると手術が必要です。なぜなら、大きく成長したものは胸腔内まで入り込んだり、一部にがんが存在する恐れもあるからです。
なお、腺腫も腺腫様甲状腺腫も、時に「のう胞」(シスト)に変化することがあります。これは、しこりの内容が液状になって溜まったものです。液体は黄色透明なものから、チョコレート様のもの、ゼリー状のものなどさまざまです。この場合は、注射器で内容物を吸い出して、甲状腺ホルモン薬の服用を続けます。再び溜まってくることもありますが、繰り返し吸引しているうちに溜まらなくなることも多いので、基本的に手術は必要ありません。


■悪性腫瘍の治療

がんの場合は、いうまでもなく手術が基本です。
甲状腺のがんは進行が遅いため、たいていはリンパ節に転移したがんも含めてきれいにとることができます。くびの手術ということで、大変な手術ではないかと考える人もいますが、基本的には、むねやおなかの手術と変わりません。ただし、頚部は神経や血管が集中しており、甲状腺自体も血流が多い臓器であるため、慣れた医師が注意して手術を行なうことが必要です。
術後には、甲状腺ホルモン薬を服用し再発を予防することがあります。甲状腺ホルモンの分泌は、脳の下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモンによって促進され、逆に、甲状腺ホルモンが増えすぎると甲状腺刺激ホルモンの分泌が抑えられます。そして甲状腺刺激ホルモンには、良性悪性にかかわらず腫瘍細胞の増殖を促進する働きがあります。こうしたメカニズムを利用したのが、甲状腺ホルモン薬を服用する治療です。この治療では、少し多目の甲状腺ホルモン薬を服用することで、甲状腺刺激ホルモンの分泌を抑えて増殖を防ぐことを目的としています。
肺や骨など遠くの臓器に転移している場合には、放射性ヨード治療(アイソトープ)を行います。放射性ヨードには甲状腺に集まる性質があり、手術によって甲状腺を切除してしまうと、肺や骨などへ転移した甲状腺がんに集まるようになります。そして、転移した甲状腺がんに取り込まれた放射性ヨードは、そこでベータ線を出し、内部からがん細胞を破壊していくのです。放射性ヨードは、甲状腺の機能検査やバセドウ病の治療にも使われますが、がんの治療の場合はこれより多い量を使います。
また、まれな悪性腫瘍に悪性リンパ腫がありますが、これには化学療法や放射線ヨード治療(アイソトープ)が劇的な効果を上げます。

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