![]() ■甲状腺の腫れ(甲状腺腫)
橋本病では、図のようにくびが太くなって見えることがよくあります。これは甲状腺がはれて大きくなっているためです。橋本病の場合は、このはれ(甲状腺腫)が診断の糸口になることが少なくありません。 甲状腺腫の大きさは、慣れた医師が触らないとわからないような小さいものから、見ただけではっきり分かるものまでさまざまです。バセドウ病の甲状腺腫と似ていますが、橋本病の方が比較的硬く、表面がゴツゴツしているものが多い傾向があります。
■甲状腺機能低下による症状
甲状腺機能低下症とは、血液中の甲状腺ホルモンが不足した状態をいいます。
(2) 皮膚の乾燥 皮膚の表面が乾燥してカサカサし、細かい粉がふいたようになります。これに貧血が加わると、皮膚が蒼白に見えたりします。 (3) 寒がりになる 新陳代謝が低下し、全身の熱の産生が減るため、寒さに弱くなります。夏でも暑さをあまり感じず、汗をかきません。 (4) 食欲がないのに体重が増える 食欲がなくなり、食べる量が少なくなりますが、新陳代謝が低下してカロリーの消費が減っているため、またむくみのために、体重は減らずにむしろ増えます。また胃腸の働きが悪くなるため、お腹がはって便秘をします。 (5) 脈がゆっくり静かになる 心臓の動きがゆっくり静かになり、脈を触れると数が少なく、弱く感じられます。心臓を包む袋(心のう)に水がたまったりするため、心臓が大きくなります。 (6) 無気力になり頭の回転が鈍くなる ものごとに対する意欲・気力がなくなり、忘れっぽくなったり、行動的ではなくなったりします。どこでもすぐ居眠りをするようになります。話をする時に口がもつれたり、ゆっくりしたしゃべり方になります。 (7) 月経や妊娠等の異常 月経の量が多くなったり、長く続くことがあります。治療しないでいると、妊娠しても流産しやすくなる人もいます。 ■橋本病と間違われやすい病気■心臓病・腎臓病・肝臓病
著しい甲状腺機能低下症が長い間治療されないでいると、全身にむくみがでたり心臓のまわりに水が溜まって、心臓の働きが悪くなることがあります。そのため、心臓や腎臓、肝臓の病気として治療されていることがあります。 ■精神病
甲状腺機能低下症であることを知らずにいると、無気力になったり、うつ状態になったり、逆にイライラなどの症状が出たりする人がいます。こういう人たちは、精神科の病気と間違われていることがあります。また更年期障害だと思われている場合もあります。 ■老化
むくんだり皮膚が乾燥したり、寒がりになる、動作が鈍くなる、しゃべり方がゆっくりになる、記憶力が低下するなどの甲状腺機能低下症の症状が、老化現象と間違われていることがあります。 ■バセドウ病
橋本病の人に起こる「無痛性甲状腺炎」は、バセドウ病に間違われることがあります。この場合、バセドウ病の人の血液中にみられる甲状腺を刺激する物質(TSHレセプター抗体)を調べたり、放射性ヨードを使った検査をして調べます。 ■注意したい橋本病■無痛性甲状腺炎
甲状腺に蓄えられている甲状腺ホルモンが血液中にもれ出てくるために、一時的に甲状腺ホルモンが過剰になり、バセドウ病と紛らわしい症状が出ることがあります。甲状腺の痛みはなく「無痛性甲状腺炎」といいます。長くても4ヶ月以内には自然に治ります。 ■橋本病の急性憎悪(ぞうあく)
甲状腺の炎症が急に悪化して甲状腺が大きくなり、痛んだり熱が出たりすることがあり、これを「橋本病の急性憎悪」と呼んでいます。甲状腺ホルモンが一時的に漏れ出して、動悸や息切れなどの甲状腺機能亢進症の症状が出ることもあります。痛み止めで治療します。 ■特発性粘液水腫
甲状腺のはれがないほかは橋本病そっくりの甲状腺機能低下症があります。症状は一般の橋本病よりも著しいことが少なくありません。橋本病と同じ治療をします。 ■バセドウ病
非常にまれですが、途中でバセドウ病に変化することがあります。血縁のなかにバセドウ病の方がいる場合は、なりやすい傾向があります。逆にバセドウ病患者のなかで、病状が好転した後に甲状腺機能低下症となり、橋本病と鑑別できない場合もあります。 |















