甲状腺の病気について

バセドウ病

妊娠とバセドウ病

■妊娠とバセドウ病について

甲状腺機能の亢進が長い間続いていると、生理が少なくなったり、停止してしまうことがあります。しかし、バセドウ病だから妊娠しにくいということはありません。
ただし、甲状腺ホルモン過剰の状態で妊娠すると、流産や早産の危険が高くなります。安全な妊娠・出産のためには、前もって甲状腺ホルモンの濃度を正常にしておくことが大切です。
治療は、抗甲状腺薬(チウラジールやプロパジール)やヨウ化カリウム丸の服用が中心です。妊娠中に薬を飲むことについては、不安を感じる人もいると思われます。しかしバセドウ病の方が妊娠された場合は、妊娠中甲状腺ホルモンを正常に保つことが最も大切なことです。抗甲状腺薬のメルカゾールについては、妊娠の初期に内服している場合のみに、とても稀ですが赤ちゃんの頭皮の一部が欠損するという報告があります。チウラジール(プロパジール)やヨウ化カリウムについては現在のところそのような影響はいわれていません。

実際に、当院のたくさんの患者様も元気な赤ちゃんを産んでいます。どうかバセドウ病に対する誤解から、結婚や妊娠を避けるようなことがないようにお願いします。

バセドウ病に特有の抗体、甲状腺刺激抗体(TRAbやTSAb)は妊娠経過とともに低くなって来ることが多いのですが、これらが妊娠後期もとても高い場合には、この抗体が胎盤を通過して胎児の甲状腺をも刺激することがあります。そうすると赤ちゃんの甲状腺機能亢進症が出生前後に起きることが稀にあります。この抗体は出生後1ヶ月程度で赤ちゃんの体内から消えていきますので、赤ちゃんの甲状腺機能亢進は一時的で軽快しますが、このような場合には出生後しばらく新生児科で治療あるいは経過観察が必要となります。

もうひとつ心配されるのは、産後のバセドウ病の悪化です。バセドウ病は、妊娠中に自然と良くなりますが、出産後に悪化することがあります。これは、妊娠中に軽くなった反動ともいえる現象です。産後にいったん悪くなった人でも、お薬を調節することで落ち着くので心配はありません。チウラジール(プロパジール)や少量のメルカゾールを内服ならば授乳も可能です。

■妊娠による一時的な甲状腺機能亢進症

妊娠初期の甲状腺機能亢進症には、バセドウ病ではないものがあります。これは胎盤で作られる性腺刺激ホルモン(絨毛性ゴナドトロピン)による亢進症です。このホルモンの濃度は妊娠中期になると低くなるため、それにつれて自然に治ります。これは妊婦の300人に1人くらいの割合で起こります。

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